書き方は教わった。
話し方は、教わっていない。
会議で、提案で、顧客の前で——その「教わらなかった」が、静かに現れる。
思い当たる場面はないか
短い会議で、要点を一つに絞れず、話が長くなる。
急に意見を求められて、最初の一言が出てこない。
顧客の前で、一番伝えたかった一文が、最後まで残ってしまう。
中身が足りないとはかぎらない。
ただ、整え方は、中身とは別に扱える。
本書は、その整え方を、最初から扱うために書きました。
読者の声
“
★★★★★
緊張は性格のせいだと思って、何年も諦めていました。それが、整え方の問題だと知って、自分への見方が変わりました。
中村
★★★★★
週末に読み終えて、月曜日には、すでに違いを感じました。
前田
★★★★★
営業で15年やってきましたが、それでも気づきがありました。読みやすく、かつ、深いところに触れてくる本です。
渡辺
出発点を、動かす
これまでは、話し方を、性格や場数の問題として扱ってきた。
場馴れすれば、いつか自然になるだろう、と。
けれど、書き方と同じく、話し方にも整え方がある。
同じ材料でも、どこから置くかで、相手が最初に受け持つ仕事は変わる。
話し方は、整え方を持つ、技術である。
本書が扱う、最初の見立て
「うまく話せなかった」を、位置で分けて見る
「うまく話せなかった」という感覚は、一つの失敗として残る。
けれど、実際に手を入れる先は、同じとはかぎらない。
たとえば、次のような違いがある。
一
身体のほうに、注意が戻ってしまう
呼吸が浅くなる。声が震える。その変化を確かめ始めると、相手へ向けるはずの注意が、そちらへ戻ることがある。
二
何を言うかが、まだ決まっていない
話せることはある。けれど、今回ここで何を言うかは、まだ決まっていない。決めきらずに持ち越したものは、話しているあいだも手元に残る。
三
組み立てが、まだ決まっていない
言いたいことはある。けれど、何を中心に置き、どの材料を残し、どこから話すかが、まだ決まっていない。
外から見れば、どれも「うまく話せなかった」という同じ一語に見える。
けれど、つまずいた位置は、それぞれ違う。
位置を取り違えれば、対処もずれる。
身体の側を見るのか、決めていないことを閉じるのか、組み立てを見直すのかで、次にすることは変わる。
まず、どこでつまずいたのかを、見極める。
本書が扱う、四つの段階
全138ページ・全14章・全47節
PART Ⅰ
つまずきを、理解する
「うまくいかなかった」というひとかたまりを分け、何が起きたのかを見る。
PART Ⅱ
三つを、整える
身体、心、話の組み立て——その三つを、話す前に整える。
PART Ⅲ
仕事の場で、実践する
短い会議、急な発言、提案、顧客との打ち合わせ。条件が変われば、何を残し、何を落とすかも変わる。
PART Ⅳ
話し方を、磨く
話し終えたあとに見直し、次に変えるところを一つ決める。次の小さな場で、その一つを確かめていく。
四つは、上る段ではない。
最初は順に読み、そのあとは、必要なところへ戻って使える。
話し方を、整え方として、
最初から扱い直す。
どこで起きたのかが決まれば、そこだけを変えて、もう一度試せる。
この本は、そのための見方と手立てを、最初から順に置いた一冊である。
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